産後ケアを利用された感想

一ヶ月に一度見てもらえると
安心です

産院を退院して
産後ケアを利用して下さるママのエピソード

授乳がこれで合っているのか?
良い方法で出来ているのかそうでないのか?

赤ちゃんの成長はこれで良いのか?
赤ちゃんの成長とは何なのか
自分のお世話の仕方が合っているのか

身体の変化はこれで正常なのか?
乳房や悪露や気持ちは日に日に変わっている
これは皆に起きることなのか
私だけに起きていることなのか

どのくらい自分が家事や育児に
動くべきなのか?
家族にやってもらう必要があるのか?
そうだとしたら、それをどのように
家族に伝えたら良いのか

実際、ママは産後の身体の回復も
赤ちゃんの成長も
順調に経過されている

それでも、
「同じ助産師」に「毎月」来てもらい、
ママに関わることについて
「それで良い」と言ってもらうだけで
安心して子育てしてゆけるそう

そして、もしも、「同じ助産師」に
「妊娠中から」
「毎月」(妊婦健診のたびに)
見てもらっていたら
もっと良かっただろうなと話された

お父さんインタビュー

■自宅出産を選ばれた理由はなんですか?
・妻から自宅出産のメリット(産む時に好きな体勢でできる、赤ちゃんとずっと一緒にいられる)等を語られて、産む本人の考えを尊重して自宅出産を選びました。

■助産院を利用されて、何か得られたことはありましたか?
・病院では教えてくれない幅広い知識(アロマ、マッサージ、)自然分娩の良さ、妊婦想いの診察にとても安心した。

■思っていたことと違うことはありましたか?
・助産師さんは出産になる時に(破水してから)来てくれると思っていたが、その前から家に来てくれて陣痛が来るのをずっと待ってくれてるのにはとても驚いた。
とても心強かった。

■自宅で出産することに周囲の方から何か反応はありましたか?
・出産は病院、産婦人科が当たり前で今の時代に自宅出産が出来る事に驚いてる人が多かった。
・自宅出産は危険じゃないか心配する声もあった。

■お産を通して、奥さんや女性に思うこと、感じることはありますか?
赤ちゃん産んでくれてありがとう!
出産で身体への負担があれほどあるものだとは思わなかった。
家事はパパに任せて、身体を優先的に治してください!

■どんなお父さんになりたいですか?
・子供が気兼ねなく遊んだり相談できる友達の様なパパになりたい。
・妻からも子供の事で相談されるくらい信頼されるパパになりたい。

お父さん、インタビューにお答えくださりありがとうございました。

健診からずっと一緒にいてくれて、何でも一緒にやってくれて、家族の動きを見てずっと動いていたお父さん。
なくてはならない人です!!
これからも、家族みんなで、楽しく過ごしていってくださいね。

出産まで何をしたらいいか分からない。

「出産まで何をしたらいいか分からない。」と悩んでいた妊婦さんへの訪問診察エピソード。

初産の妊婦さんからこんなご相談がありました。

「いま、妊娠していて、病院に通っているんですが、何がどうなっているのかが分からなくて、何が分からないのかが分からないんです。」

「健診には行くのですが、先生からは特に指導的なものがないので、毎回、何を聞いたらいいのかも分からないんです。」

「夫も病院に入れず、私と赤ちゃんがどうなっているのか分からないようです。」

「出産まで、何をして行ったらいいか全く分からなくて・・・。」

「高齢初産でもあり、心配です。」

“妊婦さんと旦那さんが在宅の日に訪問して欲しい”
というご希望通り、訪問診察をしてきました。

  • お腹の触診
  • 心音聴取
  • 超音波エコー
  • 骨盤の診察

をしました。

妊婦さんと旦那さんには、

・お腹の中の赤ちゃんがどのくらいの大きさになっているか
・妊婦さんの身体に対して、どのような体勢で、どの位置にいて、どのように動いているのか
・胎盤、(お)臍、羊水の役割

についてお話ししました。

次に、

・妊娠は病気ではないこと
・出産は身体にとって生理的なもの
・原則、医療的な介入は必要がないもの

であることを丁寧に説明しました。

そして、

・妊娠が正常から逸脱しない=病気でない状態で経過する
・出産が身体にとって生理的な現象で経過する

このために必要な「身体作り」「心構え」について、
「これから助産師と一緒にやってゆくこと」をお約束しました。

これから出産まで、定期的な訪問を続けていくことになりました。

「おっぱいをやめたいです」というご相談

おっぱいをやめたいママを訪問しました。

産後1ヶ月以内のママで、おっぱいをやめたいけどやめ方が分からない。

吸わせても痛い。

お電話ではそれが一番のようでした。

お伺いさせていただくと、

おっぱいの傷も痛かったけど、お股の傷も痛くて、身体も自分じゃない感じで、おっぱい自体が大変だった。

おっぱいも自分で調べたり、産んだところで聞いてやっていたけど、どうしたら良いか全然分からない。

こんなに大変だったら、だんだんおっぱいを吸わせるのを少なくして

やめていこうかな、と思ったら、おっぱいが痛くて・・・。

とお話しくださいました。

それで「やめたいって思われていたんですね・・・。」とお話し聴きながら、

お胸の状況を拝見しました。

お胸は

・乳頭に傷ができている

・乳腺炎後と思われるしこりが散在している

・分泌良好(産後数週間相応)

このような所見が見られました。

ママのお話の経緯から、現在のおっぱいの状況について解説しました。

そして、乳頭の傷の原因になったと思われる乳輪部のマッサージを施行しながら、今日からやれることをふた通り説明。

やめていくパターンと、とりあえず1週間おっぱいをやってみるパターンについて。

「やめて行く」パターンについては、ホルモン剤を内服する方法と内服せずに自力でやめて行く方法があることを説明します。

産後1ヶ月のホルモン動態から、自力でやめていくのはかなり大変なため、内服する方が容易に辞めやすい。

しかし、乳腺炎後の所見が見られるため、どちらにしても所見が消失するまでは母乳をストップしないのが望ましい(最低今日から1ヶ月)。

「とりあえず1週間おっぱいをやってみる」パターンについては、以下の通りです。

私は、助産師が訪問して、ママのおっぱいが楽になって、ママがおっぱいを続けられるようになって、、を一番に期待してません。

それよりも

ママがこれほどまでの気持ちにいたる経緯と、辛かった、痛かった思いを

聴かせていただいて

ママが自分の気持ちを表出できたらいいな・・・。

どんな気持ちで授乳して来られたのかな? どんな気持ちで赤ちゃん抱っこしてきたのかな? おっぱいのこと、やめるといったものの、夫の意見もあるみたい。

一生懸命に産んで、おっぱいをあげてきたママの気持ちを聴いてみたいです。

ケアはそこから。。。。

私の原動力になっているもの

私は妊娠が先で、結婚が後です。
当初、私の周りは、交際期間の短かった私とパートナーとの結婚を心配し、また、助産師学校入学すぐの妊娠だったのも手伝って、親は妊娠継続にも、特に、結婚にも反対しました。

妊婦や結婚が、自分の想像していたものとどんどん遠い形で進めていくしかないという状況の中、私の助産師としての原点になったことがありました。

それは、どんな状況であれ、子どもを産み育ててゆく私は尊重されたということです。

そんな扱いをされる立場でもない、ということはたくさんしてきました。

助学のクラスメイトは私の負担をかなり分担してくれました。助学の先生は入学したてで悪阻に萎れそうになる私を授業のあとに焼肉に連れて行ってくれました。

私自身は非難の目を浴びながらやっていたこと…そのような自覚が常にありました。

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だいぶ昔の2月のお産でした。
当時まだ私は助産師学生で、隣にいるのは現在の夫です。

友人二人は名古屋から私のお産のために静岡に来て、前日から夜通しで私の陣痛に付き添ってくれました。実習を共にした仲間で、国試を控えていました。
実習で夜通しお産する人に付き添うことに慣れていたとはいえ、産婦は友人であり、、休むわけにもいかず、夫の手前もあり、本当の本当の徹夜状態でついてくれました。

そして、ここに写ってはいませんが、助産院の先生が、やはり
私の背中側にずっとついてくださり、長い陣痛に挫けそうになる私と赤ちゃんを見守ってくれました。
妊婦健診からずっと変わらない姿勢でした。

このお産がなければ今の私の助産師としてのアイデンティティは形成されていなかったのだと思います。

実際は、わたしは、自分を大切に出来ておらず、また、自分を大切に出来なかったことは相手にもそうであり、「結婚したら幸せになれる」という勘違いをしながら新たな生活を始めたばかりでした。。。

今日はここで精一杯です。
長く聴いて下さりありがとうございました。

私の助産師として
母として
妻として
学ぶものとしての原動力になっているものはここにあります。

学友の2人には快く掲載許可をいただきました。
「へぇ〜 静岡 頑張っとるな〜 まゆっぺも(当時のあだ名)!」

お父さんインタビュー

■自宅出産を選ばれた理由はなんですか?
妻がそうしたいと言ったから。助産師さんがそうしようと言ってくれたと聞いたので、大丈夫だろうと思った。
前回助産院で出産だったので、逆子や、通常の出産が難しい時には、病院で出産することになることを知っていたので心配は少なかった。


■助産院を利用されて、何か得られたことはありましたか?
産まれた瞬間から、子供と一緒にいられた。だから、助産師さんから、おむつ、ミルク、お風呂の入れ方をすぐに教われた。臍の緒は切ったし、妻のお腹から、子供に続いて胎盤が出てくるのも見れた。
産前は、妻の体が大変であることや、助けが必要であることや、精神的にも大変であることを、第三者の助産師さんからそれとなく知らされたので、自分が役に立たなくてはならないという意識がスムーズに芽生えた気がする。妻から知らされたのでは、素直に聞けないので個人的には良かった。

■思っていたことと違うことはありましたか?
定期検診の時に、とても手厚くケアしてもらったこと。親戚の人のように大切にしてもらった印象。

■自宅で出産することに周囲の方から何か反応はありましたか?
私の母、妻の親戚の叔母に大変驚かれ、心配されたが、「上の子供もいるしたいへんだから」と「助産師さんのアドバイスによるところが大きい」ことを伝え、「何がなんでも自宅で産むわけではなく、問題があれば病院で産むことになる」ということを伝えたところ、それ以上は何も言ってこなかった。

■お産を通して、奥さんや女性に思うこと、感じることはありますか?
妻には、ありがたく思う気持ちが強くある。出産後は育児で肉体的にも精神的にも大変で、妊娠中も大変だが、出産後は育児が待っており、休む暇が無い。
ただ子供が成長するごとに迎える変化、例えば笑い顔を浮かべるようになったり、体が大きくなったり、そう言った変化を、喜びの顔で語る妻を見ると母親になったんだなと思った。この感情は私としては喜びというよりは、妻へ感謝の念だと感じる。
子供を愛おしく思ってくれる母親でよかった、ありがたい、という感じである。

話はかわるが、長男誕生後に職場で、産休に入る方から引き継ぎを受けることがあった。その際には大変前向きに、通常以上のやる気で引き継ぎに取り組めた気がする。

■どんなお父さんになりたいですか?
妻と子供に見捨てられない父でいたい。仲良く暮らしていける家族の一員で居たい。

インタビューにお答えくださってありがとうございました。

上のお子さんのお産のサポートの時からのつながりで、今回も一緒に赤ちゃんを迎えさせていただくことになりました。いつも一生懸命に、一緒にやってくださったお父さん。日に日に大きな木のようになられるお父さんの姿を見せていただけて本当に嬉しかったです。
家族の必要をてきぱき満たして、お母さんをがっつりサポートされる様子に頭が下がります。

さんばの玉手箱

大学院生(20歳以上の学生さん)と産むこと.育てること.子育てするパートナーシップ.恋愛から命の尊さを考える時間を持ちました。

院生の他に興味のある学部生も参加してくれました。
どうして来てくれたの?と伺うと、
「自分にすごく関係のあることなのに、聞く場所がないから」
「最近、彼氏が出来て、これからのことを考えたら聞いておきたくなった」
と答えてくれました。

お父さんインタビュー

■自宅出産を選ばれた理由はなんですか?
奥さんが探してくれました。コロナで立ち会えないことや、出産後しばらく会えないなど考えた時、家で産むことを考えたそうです。
助産師さんと初めて会った時、とても丁寧で優しい方だったので安心できました。

■助産院を利用されて、何か得られたことはありましたか?
言葉では表せない、緊張感と感動がありました。とてもいい経験だったと思います。

■思っていたことと違うことはありましたか?
胎盤と臍の緒が想像以上にリアルでした、、、。

■自宅で出産することに周囲の方から何か反応はありましたか?
反対されるかも、と最初は思ったんですが、昔は助産婦さんの方が一般的だから、特に反対もされず、応援してくれました。
職場の方や友人からは珍しがられました。

■お産を通して、奥さんや女性に思うこと、感じることはありますか?
率直にすごいな、と感じました。

■どんなお父さんになりたいですか?
いつまでもパパ大好きと言われるように頑張りたいです。

お父さん、インタビューに応えて下さりありがとうございます。

いつも笑顔で出迎え下さり、上のお子さんと良〜く遊んでくれていた優しい優しいパパさんでした。
これからもお子さんの成長が楽しみですね。

助産院では、これからもお父さんから見たお母さん(産婦さん)と助産師について、インタビューを続けて行きたいと思います。
そして色々な出産方法があることもお知らせ出来たらと思っています。

開業から10年!

2011年8月に開業して10年が経ちました。助産院を利用して下さったお母様、ご家族の皆様に感謝申し上げます。

以前言われていた「MY助産師」はLMC(Lead Maternity Carer)と言い方が変わり、これからは「マタニティ継続ケア担当責任者」と呼ばれるようになります(少し慣れませんが^_^)。

妊娠中から産後まで関わる助産師を指しますが、同じ人と何度も出会い、信頼関係と安心のもとで出産し、産後も相談できるという「人と人のつながり」を大切にするシステムをも意味します。

これは日本の中で古来から大切に受け継がれているシステムで、私も、この最古の職業とも言われる昔からの産婆スタイルを健康のある限り続けてゆきたいと願います。

そして、お母さんお父さんになる人が安心して子育てしていくことのほんのわずかな支えとなれたらと願っています。

かけがえのないもの

赤ちゃん抱いて
おっぱいが大変だったと
ポロポロ涙を流すママ

医療者の私たちから見たら
おっぱいが大変だった
ひとりのママかもしれない

でもその親子にとっては
かけがえのないもの